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天木直人さん

私が応援していた天木さんの最後の街頭演説です。
本当はこういうことこそリアルタイムで伝えていきたいのに、
それができない今の公選法。
次回の選挙前には全面解禁になるといいんだけどな。

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天木直人さん9月10日最後の街頭演説(横須賀中央駅前にて)
           平和への勝手連 一メンバーによって報告

ご通行の皆様、商店街の皆様。天木直人でございます。毎日この場所で皆様に訴え続けてまいりました。今日が最後の訴えになります。あっという間に私たちに突き付けられた今度の総選挙で、いったい何がいちばん重要な問題なのでしょうか。私は今度の総選挙が、郵政改革というただその一言ですべてが決定される、そういった選挙にたいへんな危機感を覚えました。いま日本が置かれているいちばん深刻な問題は、経済でも雇用でも保険でも年金でもありません。それらはもちろん重要な問題ではありますけども、そのまえに、私たちの平和が危機にさらされているのです。

皆さん、小泉さんは郵政改革という名前の影で、恐ろしい勢いでアメリカとの軍事協力をすすめています。小泉さんの4年間の外交の間違いは、すべてそのアメリカに従属した外交であったからです。皆さん考えてください。日本の経済がなぜこれほど長く深く不況になったんでしょう。それは私たちの働いたお金が、税金が、貯金が、すべてアメリカの経済を支えるために流れていってしまったのです。アメリカの戦争国家を、あの膨大な無駄使いの赤字を、私たちのお金が補てんしているのです。日本の経済が良くなるはずがありません。いくら郵政改革をしても、アメリカの戦争国家に付き合えば、私たちの経済はどんどんどんどん悪くなっていきます。

皆さん、私たちはなぜアメリカのばかげたイラク戦争にここまで協力してしまったのでしょうか。見てください。あの歴史的な三千年のバグダッドは、アメリカの砲撃でがれきの山になりました。おびただしい無実のイラク人が涙を流して毎日死んでいっています。そんなばかげたアメリカの戦争に、なぜ日本は従属してしまったのでしょうか。

皆さん、私たちの周りの状況を見てください。あれほど重要な中国・韓国との関係が、小泉さんの外交ですっかり悪くなってしまいました。私たちはアジア人です。中国や韓国の人たちと長い間友好に暮してきました。あの間違った太平洋戦争で、私たちはたいへんな罪を犯しましたけれども、その罪を詫びて、いまこそアジアの人たちと仲良くやっていくのが、本来の私たちの期待する外交であります。ところが小泉さんは、そんな私たちの当たり前の声に耳を傾けずに、ただひたすらアメリカに付き従い、そして中国・韓国との関係をまったく意味がないかたちで悪くしてしまいました。

我々はいまこそ小泉さんに、伝えようではありませんか。小泉さん、いまこそ目を覚ましてください。あなたの外交は間違っている。今度の選挙でたとえあなたが再びこの国の首相に任じられても、だからこそこんどは私たちの意見を聞いて、あの間違ったアメリカにただ付き従うのではなくて、どうぞ小泉さん、今度こそ平和の外交を取り戻してください。わたくしはこのことを訴えるために立候補いたしました。

明日の投票日に、もしみなさんがこの私と同じ考えをお持ちであれば、ぜひわたくしに皆さんの票をお預けください。わたしの票はけして小泉さんを打ち負かすことにはならないでしょう。小泉さんはただの一度もこの選挙の間、横須賀に三浦に姿を見せませんでした。ただの一度も自分の声で、私たちに訴えることはしませんでした。それでもあの人は大量の得票を得て、この選挙に勝つといわれています。わたしは本当に残念だと思います。しかし、小泉さんは国民の支持を得て選挙に勝つでしょう。だからこそ私は小泉さんに申し上げたい。小泉さん、あなたはなんのために選挙に勝って、なんのために総理を続けるのですか。あなたはいまこそ間違った外交を取り戻して(ママ)、私たちが心から願う日本の平和で自由な、世界から尊敬される外交を取り戻してください。この思いをどうか皆さん、明日の投票日には私に託していただけませんか。わたくしが皆さんから託される票は、小泉さんの票の十分の一に満たないかもしれません。しかし皆さん、けしてその投票は無駄ではありません。それどころか、皆さんひとりひとりの貴重な平和に対する熱いメッセージなのであります。わたしはその皆さんのメッセージを間違いなく小泉さんに伝えます。間違いなく、友人国の平和を愛する人たちに伝えます。そしてこの横須賀から世界に向けて、アジアに向けて中近東に向けて、皆さんの熱い平和のメッセージをわたしが届けることを約束いたします。

無所属で立候補しています。政党の支援も組織の支援もありません。あるのは全国の皆さんの平和に対する熱い思いであります。その皆さんのボランティアに助けられて、私は今日までなんとか毎日毎日走り続けてこられました。ありがとうございました。本当にありがとうございました。さすがに私も疲れました。しかし最後の1時間、最後の最後まで訴えつづけます。小泉さん、私の声が聞こえますか。小泉さん、平和を願う全国の人たちの思いがあなたの胸に伝わりますか。

わたくしは無所属でひとり、日本の総理大臣に挑戦いたしました。誰ひとり、今度の総選挙で小泉さんの間違った外交に正面から注文をつける人がいなかったからです。わたくしは皆さんの熱い思いを一身に背負って今度の選挙で訴えました。どうか皆さん、明日の投票日には、無所属で立候補いたしました元外交官の天木直人を。35年間の外交官の経験をこの選挙にすべてかけて、58歳のわたくしが、元大使のわたくしが、地面に這いつくばって皆さんに訴えています。

わたくしはもはや失うものはありません。わたくしには一切の私心はありません。ただひとつ、この日本が、わたくしが愛する日本が、世界に誇れる平和で力強い外交を取り戻してもらいたい。それが外交官であったわたしの最後の願いです。この横須賀から、アメリカの基地があるこの横須賀から、日本の総理が選ばれたこの横須賀から訴えることができて、ほんとうによかったと思っています。わたくしはこれ以上の幸せはありません。どうかわたくしのこの叫びを、必ず後を引き継いで、ひとりでもふたりでも多くの人が日本の平和に向かって声を上げ続けていっていただきたいと思います。立ち上がっていただきたいと思います。わたくしはその為の捨て石になってもかまいません。

どうか皆さん、あしたの投票日には天木直人に皆さんの貴重な1票をお願いいたします。ありがとうございました。ありがとうございました。

(天木さんの最後の街頭演説を採録しました)


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